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研究室紹介LABORATORY INTRODUCTION

研究内容

研究内容

1. 聴覚神経補綴(ほてつ)

聴覚を失った患者さんの機能しなくなった内耳の有毛細胞をバイパスして、外界の音環境を電気刺激で聴神経に伝える医療技術は、人工内耳と呼ばれています。

聴覚神経補綴(ほてつ)

人工内耳は、図のように、手術によって埋め込まれた電極からパルス状の電気信号を刺激として与え、聴神経にその応答としての活動電位を発生させます。

しかしながら、現状の人工内耳では健常者のような活動電位の応答を発生させることができず、装置を埋め込んだ患者さんの脳では異なる音が認知されてしまいます。そこで適切にパルス状電気信号を設定することで、健常者の応答に近づけられるのではないかと期待されています。

世界中の多くの研究室ではネコなどの哺乳動物を使って実験を積み重ねていますが、昨今は神経科学の発展と、コンピュータの計算速度の飛躍的な発展によって、コンピュータ上で図に示されるような聴神経モデルを構築して、電気刺激に対する応答をシミュレーションすることが可能となってきました。

聴覚神経補綴(ほてつ)

聴覚神経補綴(ほてつ)

本研究室では、米国アイオワ大学耳鼻咽喉科学教室に勤務していた当時に構築した、確率イオンチャネルが組み込まれた聴神経線維モデルを用いて、コンピュータ上でシミュレーションを行い、どのような電気刺激波形が音環境の情報を適切に伝えられるのかを調査しています。

近年の研究成果として、聴神経線維モデルのスパイク列応答が、von Mises分布の周期関数で表現される強度過程で特徴づけられた自己励起点過程で表現されうることを明らかにしたことがあげられます。このことは、電気刺激波形の形状を、自己励起点過程の強度過程を特徴づけるvon Mises分布による周期関数、あるいはそのパラメータを仲介して、音響刺激による内有毛細胞シナプスによるスパイク列と電気刺激によるスパイク列の二つの周期関数を一致させるという意味で、最適に設計することへの一定の見通しを与えています。なお、これらの研究は、科研費(基盤研究(C):15K0139「人工内耳での電気刺激波形最適設計」)(研究代表者:簑弘幸)の補助を受けて遂行されました、

2. 生体信号解析

神経系で情報伝送を担う活動電位発火(スパイク)系列を、確率点過程でどのようにモデリングできるかを調査しています。

確率点過程は、その応用に際し、主に、単位時間あたりの点事象生起数、すなわち強度関数、が非負で時間とともに変化しない一様ポアソン過程、強度関数が非負で時間とともに変化する確定的な関数で表現される非一様ポアソン過程、そして強度過程が確率過程となる二重確率ポアソン過程に大別されます。

生体信号解析

本研究室では、図に示されるように、周期的パルス状波形(グラフ上段)による電気刺激の繰り返しに対するスパイク発火応答の観測(グラフ中段)から、強度関数が正弦的な周期関数(グラフ下段)となる非一様ポアソン過程を特徴づけるパラメータを最大尤度推定(図の右側)。

推定されたパラメータと電気刺激波形との関係から、どのような電気刺激波形が最適な情報伝送をもたらすかを調査しています。

3. 人間情報計測

無侵襲的に計測できる脳波、NIRS、心電図などから、機械操作など課題遂行時における、人間のパフォーマンスを調査しています。また、聴覚や嗅覚の刺激によって、そのパフォーマンスがどのように変調されるかについても調査しています。

生体計測